発達障害の特性として強いこだわりが挙げられます。食事においては、偏食や好き嫌いが激しいことで現れ、保護者からの相談も多く寄せられます。発達障害の子どもの偏食の特徴や原因、偏食を改善する工夫などについて解説します。また放課後デイサービスを利用するとメリットがあることも紹介しています。
発達障害の子どもの偏食には特徴があります。よくある偏食の例を紹介します。
発達障害の子どもが偏食になってしまう原因を3つ紹介します。
発達障害の子どもは、成長や運動機能の発達がゆるやかな傾向にあります。そのため口腔の機能も発達が遅れ、通常であれば成長の中で自然に獲得するはずの口の動きがうまくできなくなります。
うまく食べられないことから食事への苦手意識を持ち、上手に食べられる食べ物だけを食べることが多くなります。
舌の使い方や、飲み込み方、噛み方、噛む力の弱さなどの問題が挙げられます。
感覚が過敏なことで、食感やにおい、味などに嫌な印象があり食べられないことがあります。一方で感覚が鈍いために軟らかいもの、低温のもの、薄味のものなど刺激のない食材に反応できず、おいしいと感じられない場合もあります。
また色や形、食材の組み合わせによって視覚的に嫌がる場合もあります。
またこだわり特性がある場合には、特定の味や食感のものしか食べないことがあります。こだわりが強いとマイルールが破れず、それ以外のものを食べなくなります。
発達障害の子どもは、一般的な同年齢の子どもに比べて活動や筋肉量、筋緊張の状態によって必要エネルギー量が少ないため、少食の傾向にあります。
また少食なことによって保護者が食べられるものを多く与えてしまい、結果的に食べられる食材を減らしている場合もあります。
食べやすい炭水化物やお菓子は、エネルギー量が高く少量で満足してしまい、食が広がらずに他の栄養素が不足してしまいます。
発達障害の子どもの偏食には、通常の好き嫌いとは異なる原因があります。偏食を改善する工夫を紹介します。
発達障害の子どもは、うまく食べられない物を避け、うまく食べられる物を食べます。前述した原因が相互に関わっている場合が大半なので、原因の一つだけをなおそうとしても難しい場合があります。
まずは原因を見つけることが重要です。そのためには家庭での食事状況や食べている物、家族と別の場所で食べたり飲んだりしている物、栄養状態などをしっかり観察しましょう。
子どもを理解することからはじめ、改善策を立てていきます。
会話ができる子どもとは、苦手な食べ物について聞き取りをします。その食べ物の何が苦手なのか、じっくりと聞いてみましょう。そして苦手な理由に共通点がないか、考えてみてください。食感だったり、味だったり、見た目だったり、何か傾向がわかれば対処法も考えやすくなります。
ヒアリングで苦手なものがわかれば、調理で工夫してみます。たとえば肉の見た目が気持ち悪いのであれば、衣をつけて揚げてみたり、パンで挟んでみたりと、食材が見えない工夫をしましょう。
味や食感が苦手な場合には、調理法によって変化させることもできます。
一度食べられると、良い印象となり食べられるようになる可能性が出てきます。
偏食をしていると両親や先生に注意されたりして、もともと苦手な食事がさらに苦手になっていることもあります。
「食事は楽しいこと」とイメージしてもらえるように、食事は楽しくするように心がけ、食べられないものがあっても無理強いはしないようにしましょう。
気長に根気強く向き合い、食事を楽しめるようになると、食べることが好きになっていきます。
過敏または鈍感なために食べるものが増えない場合には、さまざまな触感に慣れていくことからはじめてみましょう。食事の場面ではなく、遊びの中でいろいろなものに触れ、刺激に慣れるようにしていきます。
食事の準備のお手伝いをしながら、いろいろな食材に触ってみるのもいいでしょう。少しずつ触覚に慣れていくことで、食べることに拒否反応を起こさないようになっていくことがあります。
自閉症スペクトラムの子どもが、小学校入学してつまづいたのが給食でした。偏食があり、まぜごはんやどんぶりものが苦手。給食が始まってみると、どんぶりものが多く一口しか食べられない日が続き、早退しがちになりついに大爆発して学校へ行かないとパニックを起こしました。
理由はやはり給食がいや。お弁当なら食べられると言うので、担任に相談して翌日からお弁当OKに。お弁当を持って行けると聞いたときの安堵した顔は忘れられません。
2学期も中盤を過ぎると、カレーやスパゲティの日は給食を「食べたい」ということもあるようです。担任や栄養士の先生とも面談し、給食を見てみて食べられる分だけ食べ、あとはお弁当を食べるという併用スタイルになりました。
食べられたらシールを貼るという工夫もしてくださり、3学期からはお弁当なくても大丈夫と、苦手なものは残し、食べられる物を選んで給食を食べられるようになりました。2年生になっても「大丈夫」と自信になっています。
参照元:LITALICOライフ(https://life.litalico.jp/hattatsu/mailmag/099/#i-3)
放課後デイサービスでは、障害のある小・中・高校生の子どもを対象に自立へ向けた取り組みや指導を行っています。療育のプロが在籍しているので、特性による偏食や苦手のことも理解しており、ひとりひとりの特性によって指導の仕方も工夫してくれます。
保護者へのサポートも行っているので、家庭で困っていることがあればいつでも相談できます。保護者が子どもを理解するためにも、療育のプロに任せるのは大きなメリットがあるでしょう。
発達障害の子どもの偏食は、通常の好き嫌いとは違います。まずは子どもがなぜ食べないのか、苦手なのかを理解することが大切です。
原因を理解しないと対策や工夫ができないので、子どもをよく観察し、苦手な理由をしっかり聞いてみましょう。
放課後デイサービスには療育のプロが在籍し、それぞれの特性を理解した上でアドバイスもしてくれます。
佐賀市でお子さんに合う放課後デイサービスを探してみましょう。
一人ひとりの子どもの特性や障がいに合った療育を受けられるように、
「個別療育」と「集団療育」の両方に対応している佐賀県内の放課後等デイサービスを調査しました。
その中から、将来の可能性を広げられる「PC・ネット関連の療育」を導入している放デイを抜粋してご紹介します。