コミュニケーションのとり方に特徴がある自閉症スペクトラムの子どもの子育てについて、なぜ放課後等デイサービスを利用したほうが良いのか、母親の育児負担の観点から掘り下げて解説しています。
発達障がいのある子どもの家族(特に母親)は、うつ病や気分障がいを発症しやすい傾向があります。とくに自閉症スペクトラムの子どもがいる親御さんは、ほかの障がいがある子どもの親御さんに比べてうつ病に高率で罹患しているそうです。
名古屋大学 発達心理精神科教育センターの准教授、野邑 健二氏によると、先行研究の中で2方向の意見が出ているとのこと。ひとつは「育児負担が母親の抑うつと関連している」という意見。もうひとつは「その子どもが生まれる以前のエピソードが抑うつ発症に関係している」という意見。2分化している意見で、どちらが正しいかは研究段階にあるためわかっていません。
しかし、「育児負担」というキーワードは見逃してはいけないでしょう。発達障がいの子どもを育てていく中で、障がいを受け入れられるか、周りに受け入れてもらえるか、将来どうなっていくのかという不安は必ずと言っていいほどついてまわります。それらがストレスとなり、 抑うつの要因のひとつになり得るのは何ら不思議ではありません。
何ごとも体が資本ですから、焦りや不安、ストレスを感じているお母さんは、福祉・行政サービスを利用して、発達障がいのある子どもにかかりきりの時間を減らし、心と時間に余裕を持つことから始めましょう。
学校での付き添いが必要ない子どもの場合、放課後等デイサービスを利用することで、保護者が日中働ける可能性は広がります。学校の下校時間に合わせて子どもを迎えに行き、放課後等デイサービスの利用が終わったら自宅に送り届けてくれる、送迎サービスのある事業所を選ぶと良いでしょう。
自閉症スペクトラムの子どもは、物事へのこだわりが強く、気持ちの切り替えが難しい傾向があります。そんな特性を長所として活かせる療育が「eスポーツ」です。我慢強さを求められるゲームで高い集中力を発揮できるため、自閉症スペクトラムの特性を長所として伸ばせます。
自閉症スペクトラムの特性と相性が良い
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発達障がいにかんする悩みは、ひとりで抱え込まず、社会で分担するのが理想です。薬物療法で症状を緩和できるようになった自閉症スペクトラムですが、薬と併用して、療育と生活環境の調整で対処することも大切。各種医療機関・福祉サービスを活用し、学童期からは放課後等デイサービスを利用して、生活全般をカバーしていきましょう。
放課後等デイサービスは、保育園とちがって保護者が働いていなくても利用できますので、積極的に利用を考えてみてはいかがでしょうか。
一人ひとりの子どもの特性や障がいに合った療育を受けられるように、
「個別療育」と「集団療育」の両方に対応している佐賀県内の放課後等デイサービスを調査しました。
その中から、将来の可能性を広げられる「PC・ネット関連の療育」を導入している放デイを抜粋してご紹介します。