佐賀県の放課後等デイサービスに将来性のある療育として導入されている「eスポーツ」について調査しました。障がいのある子どもの療育にeスポーツを用いるメリットやeスポーツの将来性についてまとめています。
eスポーツ(Electronic Sports)とは、ビデオゲームやオンラインゲームを使って行う競技です。「スポーツ」というと日本では体を動かす競技をイメージする方が多いですが、語源は「気晴らし」「楽しむ」「遊ぶ」という意味をもつラテン語です。
eスポーツでは、明確なルールの中で仲間と協力し、切磋琢磨し、知恵を絞って勝利を目指します。
eスポーツには「どうしたら勝てるのか」という戦略を立て、論理的思考や目標達成力を養えるメリットがあります。また、ゲームを通して空間認識能力を鍛えられますし、協力型ゲームではコミュニケーシ能力を、対戦ゲームでは瞬発力を高められるのです。
そのほか、特性別にeスポーツのメリットをご紹介します。
クリエイティブな発想を生み出しやすいADHDの子どもにとって、eスポーツは最短ルートの方法を考えるきっかけになるでしょう。
また、中枢刺激薬を治療薬とするADHD患者は、注意欠如・多動性症状とネット・ゲーム依存傾向が相関するとわかっています。つまり、ネット・ゲームを自己治療として用いている可能性が示唆されているのです。
アメリカでは、米FDA(食品医薬品局)がADHDの子どもの注意機能を改善するデジタル治療(DTx)を認可する、米Akili Interactive LabsがADHDの子どもに向けたiPhone・iPad用のゲーム形式の治療アプリ(EndeavorRx)を開発するなどの動きがみられています。
ASD(自閉症スペクトラム)の子どもは、物事へのこだわりが強く、気持ちの切り替えが難しい傾向があります。eスポーツにおいては、我慢強さを求められるゲームで高い集中力を発揮できるため、障がいの特性を長所として伸ばせるのです。
LD(学習障がい)がある子どもは、「論理的思考能力」が高い傾向があります。eスポーツにおいては、その特性が「無駄のない方法を考えながらゲームを進められる」という長所になるでしょう。
子どもの成長と将来を一緒に考える
佐賀の放課後等デイサービス3選
eスポーツは、パラリンピックやオリンピックの新種目として検討されており、療育の現場でも注目度が高まっています。
eスポーツの市場規模は2020年時点で10億5930万ドル、2023年には15億ドルを超えると予測されているほど。3年で約50%伸びるという予測から、「単なるゲーム」という枠を超え、幅広い業界から注目されていることがわかります。
スポンサーが支えているチームに所属すれば給料が出るほか、大会で好成績をおさめれば賞金が出ます。
「プロになれるのは一握りで将来性がない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。療育を通してeスポーツに触れた子どもたちは、将来活躍できる場が広がります。
例えば、ゲーム動画配信で収入を得る、ゲームの試合解説者やコーチになる、ゲーマー養成学校の講師を務めるなど。活躍の場が広い分、将来の可能性が広がるため、夢や目標をもって過ごせるようになるでしょう。
ゲーム業界で注目されており、療育の現場でも需要の高まりを見せているeスポーツ。佐賀県でeスポーツを採用している放課後等デイサービスは現時点で2箇所あります。今後も増えていくことが予想されるため、要チェックです。
一人ひとりの子どもの特性や障がいに合った療育を受けられるように、
「個別療育」と「集団療育」の両方に対応している佐賀県内の放課後等デイサービスを調査しました。
その中から、将来の可能性を広げられる「PC・ネット関連の療育」を導入している放デイを抜粋してご紹介します。